未熟児・新生児に対する早期呼吸理学療法と姿勢管理

NICU(新生児集中治療施設)の概念が本邦の新生児医療のなかに定着して30年ほどが経過し, その間のNICUにおける医療の進歩はめざましいものがある。これらの結果は, ここ数年間, 本邦が世界一低い新生児死亡率(出生1,000に対し2.6/1990年)を達成していることにも現れている。こうした新生児集中ケアーの進歩により, 従来では死を余儀なくされていたハイリスク新生児の救命が可能となってきている。そして, 単なる救命にとどまらず侵襲性の少ない「人間性のあるケアー」が重視され, 新生児期の後遺症を残さない生存, いわゆるインタクト・サヴァイバル(intact survival)が, 児とその家...

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Published in理学療法学 Vol. 20; no. 3; pp. 156 - 159
Main Author 江連, 和巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 01.05.1993
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001306648

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Summary:NICU(新生児集中治療施設)の概念が本邦の新生児医療のなかに定着して30年ほどが経過し, その間のNICUにおける医療の進歩はめざましいものがある。これらの結果は, ここ数年間, 本邦が世界一低い新生児死亡率(出生1,000に対し2.6/1990年)を達成していることにも現れている。こうした新生児集中ケアーの進歩により, 従来では死を余儀なくされていたハイリスク新生児の救命が可能となってきている。そして, 単なる救命にとどまらず侵襲性の少ない「人間性のあるケアー」が重視され, 新生児期の後遺症を残さない生存, いわゆるインタクト・サヴァイバル(intact survival)が, 児とその家族について身体的・心理的・社会的側面から論じられるようになってきている。こうした中, 本邦においても理学療法士が治療的介入を目的に, NICUや中等症室, 回復室へ積極的に参入し, ハイリスク新生児のケアーにあたるようになってきた。ここでは, われわれが NICUなどでの業務としている理学療法のなかでも, 急性期の胸部理学療法と姿勢管理に焦点をあて報告する。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001306648