低強度および中強度下肢運動時の呼吸様式の違いは運動 - 呼吸同調に影響を与えない
【目的】運動中の呼吸様式と運動 - 呼吸同調の関係に着目した研究は少なく,不明な点が多い。本研究では運動時における呼吸様式の違いが,運動 - 呼吸同調に与える影響を検討した。【方法】対象は健常男性10名とし,運動は6分間の定常負荷とした。運動強度は事前に算出した換気性作業閾値(以下VT)により60%VT,100%VT,呼吸様式は自由呼吸,横隔膜呼吸の4条件を,各々別の日に実施した。運動 - 呼吸同調は,呼吸リズムと運動テンポより解析した。【結果】同調発生率は呼吸様式により有意差を認めなかった。同調時と非同調時の比較では,同調時の酸素摂取量が,自由呼吸での60%VT時のみ有意に高値を示したが(p...
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Published in | 理学療法学 Vol. 36; no. 7; pp. 341 - 347 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.12.2009
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.kj00005931382 |
Cover
Summary: | 【目的】運動中の呼吸様式と運動 - 呼吸同調の関係に着目した研究は少なく,不明な点が多い。本研究では運動時における呼吸様式の違いが,運動 - 呼吸同調に与える影響を検討した。【方法】対象は健常男性10名とし,運動は6分間の定常負荷とした。運動強度は事前に算出した換気性作業閾値(以下VT)により60%VT,100%VT,呼吸様式は自由呼吸,横隔膜呼吸の4条件を,各々別の日に実施した。運動 - 呼吸同調は,呼吸リズムと運動テンポより解析した。【結果】同調発生率は呼吸様式により有意差を認めなかった。同調時と非同調時の比較では,同調時の酸素摂取量が,自由呼吸での60%VT時のみ有意に高値を示したが(p < 0.05),他の呼吸諸量では有意差を認めなかった。同調発生率と酸素摂取量,換気効率に有意に高い相関は認めなかった。【結論】以上の結果より,健常者において60〜100%VT強度の運動時に横隔膜呼吸を行うことは,同調発生率に影響が少なく,同調現象の利得である酸素摂取量の減少,換気効率の改善が得にくいことが示唆された。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00005931382 |