頭痛のみで発症した椎骨動脈解離の画像所見の変化と転帰

「はじめに」近年の目覚ましい神経放射線診断機器の発達により, 頭痛のみで発症した椎骨動脈解離に遭遇する機会は増加し, その病態に注目してまとめた報告は散見されるようになった. しかし, 頭痛のみで発症したものを含めた非出血例の椎骨動脈解離の自然歴は明らかにされておらず, 各施設においてさまざまな対応がなされていると思われる. そこで, これまでに当院にて経験した症例を後方視的に検討し, 頭痛の特徴, 画像所見の変化と転帰より臨床経過の問題点について報告する. 「対象・方法」2008年4月から2017年3月までに当院で経験した椎骨動脈解離は94例で, その内訳は, 頭痛のみの発症64例, 出血発...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 49; no. 1; pp. 42 - 47
Main Authors 榊原, 陽太郎, 中村, 歩希, 小野寺, 英孝, 池田, 哲也, 和久井, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2021
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.49.42

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Summary:「はじめに」近年の目覚ましい神経放射線診断機器の発達により, 頭痛のみで発症した椎骨動脈解離に遭遇する機会は増加し, その病態に注目してまとめた報告は散見されるようになった. しかし, 頭痛のみで発症したものを含めた非出血例の椎骨動脈解離の自然歴は明らかにされておらず, 各施設においてさまざまな対応がなされていると思われる. そこで, これまでに当院にて経験した症例を後方視的に検討し, 頭痛の特徴, 画像所見の変化と転帰より臨床経過の問題点について報告する. 「対象・方法」2008年4月から2017年3月までに当院で経験した椎骨動脈解離は94例で, その内訳は, 頭痛のみの発症64例, 出血発症13例, 偶発的発見9例, 虚血発症8例であった. 出血や脳梗塞を伴わず頭痛のみを主訴として発症した64例のうち, 以下の2つを満たした41例を対象とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.49.42