重症心身障害児・者への呼吸に対する運動療法が脳血液流量へ与える影響

重症心身障害児・者に対し,呼吸への運動療法を遂行して,脳血液流量に与える影響を検討し,脳の活動性を推考した。対象は大島分類Ⅰの重症心身障害児・者6例,平均年齢は16.5歳(6〜25歳)である。運動療法前・中・後に連続的に脳循環動態と呼吸代謝を測定し,3区間において比較した。結果的に対象によりばらつきを認めたが,6例中4例において運動療法前に比べ,運動療法中と後に脳内酸化ヘモグロビンと総ヘモグロビンが有意に増加する反応パターンを認めた。呼吸代謝においてもばらつきを認め全6例に3区間で著変したパラメータはなかった。但し2例において運動療法前に比べ,運動療法後の分時酸素消費量が低下する傾向があった。...

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Published in理学療法学 Vol. 24; no. 7; pp. 389 - 393
Main Authors 高嶋, 幸男, 金子, 断行, 平野, 悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 30.11.1997
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00001308023

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Summary:重症心身障害児・者に対し,呼吸への運動療法を遂行して,脳血液流量に与える影響を検討し,脳の活動性を推考した。対象は大島分類Ⅰの重症心身障害児・者6例,平均年齢は16.5歳(6〜25歳)である。運動療法前・中・後に連続的に脳循環動態と呼吸代謝を測定し,3区間において比較した。結果的に対象によりばらつきを認めたが,6例中4例において運動療法前に比べ,運動療法中と後に脳内酸化ヘモグロビンと総ヘモグロビンが有意に増加する反応パターンを認めた。呼吸代謝においてもばらつきを認め全6例に3区間で著変したパラメータはなかった。但し2例において運動療法前に比べ,運動療法後の分時酸素消費量が低下する傾向があった。臨床評価では,運動療法後に全身がリラックスする反応がみられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00001308023