後期高齢者における新規要介護認定の発生と5m歩行時間との関連:39ヵ月間の縦断研究
【目的】75歳以上の高齢者における新規要介護認定の発生に対する歩行能力の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】要介護認定を受けていない75歳以上の地域在住高齢者190名を対象とした。ベースライン調査として5m歩行時間(通常速度)を測定し,以降39ヵ月間の要介護認定発生状況との関連を調べた。【結果】39ヵ月間で34名(17.9%)が新規に要介護認定を受けた。5m歩行時間を男女別に4分位で速い群から遅い群のⅠ〜Ⅳ群に分類し,要介護発生率曲線の差をLog-rank検定にて検討した結果,5m歩行時間が遅いⅣ群(男性5.2秒以上,女性5.8秒以上)では,それ以上に速い歩行速度を有する群(Ⅰ〜Ⅲ群)...
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Published in | 理学療法学 Vol. 38; no. 1; pp. 27 - 33 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.02.2011
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00007112489 |
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Summary: | 【目的】75歳以上の高齢者における新規要介護認定の発生に対する歩行能力の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】要介護認定を受けていない75歳以上の地域在住高齢者190名を対象とした。ベースライン調査として5m歩行時間(通常速度)を測定し,以降39ヵ月間の要介護認定発生状況との関連を調べた。【結果】39ヵ月間で34名(17.9%)が新規に要介護認定を受けた。5m歩行時間を男女別に4分位で速い群から遅い群のⅠ〜Ⅳ群に分類し,要介護発生率曲線の差をLog-rank検定にて検討した結果,5m歩行時間が遅いⅣ群(男性5.2秒以上,女性5.8秒以上)では,それ以上に速い歩行速度を有する群(Ⅰ〜Ⅲ群)と比べて有意に高い要介護認定発生率を認めた(p < 0.01)。Cox回帰分析の結果,新規要介護の発生と有意な関連を認めた変数は,BMIと5m歩行時間(秒)であり,5m歩行時間のハザード比は1.65(p < 0.01)であった。【考察と結論】地域在住後期高齢者の歩行速度は,将来の要介護認定発生に影響を与える要因のひとつであることが確認された。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00007112489 |