冠危険因子を有する地域在住高齢者の血管内皮機能に対する温浴と運動の併用効果
【目的】本研究の目的は,温浴と運動の併用刺激が血管内皮機能に与える短期的介入効果を検討することである。【方法】冠危険因子を保有する地域在住高齢者20名(71 ± 5歳)を対象とした。各対象者を温浴(41℃10分の半身浴)のみを行う温浴単独群と温浴後に運動(立位踵上げ,起立着座運動,座位での股関節内転運動)を行う温浴+運動群に10名ずつ無作為に割り付けた。対象者は温浴および運動を2週間毎日実施し,介入前後で上腕動脈血流依存性血管拡張反応(percent flow-mediated dilation;% FMD)と血圧を測定し,両群で介入効果を比較検討した。【結果】温浴+運動群では% FMDが増加...
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Published in | 理学療法学 Vol. 38; no. 2; pp. 105 - 113 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.04.2011
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00007176632 |
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Summary: | 【目的】本研究の目的は,温浴と運動の併用刺激が血管内皮機能に与える短期的介入効果を検討することである。【方法】冠危険因子を保有する地域在住高齢者20名(71 ± 5歳)を対象とした。各対象者を温浴(41℃10分の半身浴)のみを行う温浴単独群と温浴後に運動(立位踵上げ,起立着座運動,座位での股関節内転運動)を行う温浴+運動群に10名ずつ無作為に割り付けた。対象者は温浴および運動を2週間毎日実施し,介入前後で上腕動脈血流依存性血管拡張反応(percent flow-mediated dilation;% FMD)と血圧を測定し,両群で介入効果を比較検討した。【結果】温浴+運動群では% FMDが増加し(p = 0.019),収縮期血圧は低下傾向を示し(p = 0.050),拡張期血圧は有意に低下したが(p = 0.030),温浴単独群では% FMDと血圧は変化しなかった。【結論】血管内皮機能改善には温浴と運動の併用が有効であることが示唆された。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00007176632 |