脳性麻痺児の運動発達経緯と歩行予後の検討

本研究の目的は重度重複化傾向にある脳性麻痺児の運動発達の現状を把握し, 将来の機能的予後特に歩行予後の要因について検討することである。理学療法を受けた92例について, 歩行群と歩行不能群に分類しそれぞれについて運動発達経緯を後方視的に調査し, 在胎週数, 出生時体重, 理学療法開始年齢, 発達指数(DQ)について対比した。その結果, 歩行群で理学療法開始年齢が早く, DQが高くその差が有意であった。運動発達指標の獲得時期は, 歩行群でつかまり立ち, 伝い歩きを除く各項目で歩行不能群に比較し有意に早かった。歩行獲得率は歩行群の中で片麻痺児が全例歩行し, 歩行開始年齢では4歳までに88%が歩行を開...

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Published in理学療法学 Vol. 22; no. 3; pp. 114 - 118
Main Authors 落合, 靖男, 溝田, 康司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 31.05.1995
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00003128804

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Summary:本研究の目的は重度重複化傾向にある脳性麻痺児の運動発達の現状を把握し, 将来の機能的予後特に歩行予後の要因について検討することである。理学療法を受けた92例について, 歩行群と歩行不能群に分類しそれぞれについて運動発達経緯を後方視的に調査し, 在胎週数, 出生時体重, 理学療法開始年齢, 発達指数(DQ)について対比した。その結果, 歩行群で理学療法開始年齢が早く, DQが高くその差が有意であった。運動発達指標の獲得時期は, 歩行群でつかまり立ち, 伝い歩きを除く各項目で歩行不能群に比較し有意に早かった。歩行獲得率は歩行群の中で片麻痺児が全例歩行し, 歩行開始年齢では4歳までに88%が歩行を開始していた。また判別分析により歩行予後の要因について独立坐位が関与していることが示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00003128804