亜急性期の皮膚筋炎患者に対する運動療法における運動負荷量の検討

【目的】本研究の目的は,亜急性期の皮膚筋炎患者2症例に対して運動療法を実施し,運動負荷量の検討を行うことである。【方法】皮膚筋炎患者2名に対し,一定の運動負荷量を設定したうえで運動療法を実施した。筋力トレーニングについては,主観的運動強度としてボルグスケールを用いて筋疲労を指標に負荷量を設定した。持久力トレーニングについては,心肺運動負荷試験を実施して有酸素運動の負荷量を設定した。約4週間の運動療法を実施し,運動療法実施前後の筋力と持久力を評価した。【結果】2症例ともに膝伸展筋力,嫌気性代謝閾値の酸素摂取量(AT時のV̇O2),6分間歩行距離が向上を示した。また,運動療法実施期間中の筋原性酵素...

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Published in理学療法学 Vol. 38; no. 2; pp. 114 - 120
Main Authors 道免, 和久, 山内, 真哉, 森下, 慎一郎, 眞渕, 敏, 児玉, 典彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.04.2011
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00007176633

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Summary:【目的】本研究の目的は,亜急性期の皮膚筋炎患者2症例に対して運動療法を実施し,運動負荷量の検討を行うことである。【方法】皮膚筋炎患者2名に対し,一定の運動負荷量を設定したうえで運動療法を実施した。筋力トレーニングについては,主観的運動強度としてボルグスケールを用いて筋疲労を指標に負荷量を設定した。持久力トレーニングについては,心肺運動負荷試験を実施して有酸素運動の負荷量を設定した。約4週間の運動療法を実施し,運動療法実施前後の筋力と持久力を評価した。【結果】2症例ともに膝伸展筋力,嫌気性代謝閾値の酸素摂取量(AT時のV̇O2),6分間歩行距離が向上を示した。また,運動療法実施期間中の筋原性酵素の悪化は認められず,安全に実施可能であった。【結論】全身性疾患で多彩な合併症を有し,症状の悪化を招きやすい亜急性期の筋炎患者に対する運動療法は,骨格筋や心肺機能に考慮するとともに,症例に応じた負荷設定が必要であると考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00007176633