身長と体重の相対発育係数別にみた女児(2-5歳)の発育・発達特性
「緒言」 現在, 幼少期の生活体験や遊び体験, いわゆる三間(時間・空間・仲間)の大きな変化により, 子ども達の運動能力の低下が報告されている. また, このような社会的環境の変化により, 子ども達の運動能力の低下が児童期へトラッキングするのではと懸念されている1)2). 文部科学省が昭和39年度から実施している「体力・運動能力調査」によると, 今の子ども達は, 走・跳・投といった基本的な運動能力や筋力が1985年前後をピークに著しく低下傾向にあり, 柔軟性, 敏捷性などのからだをコントロールする能力も低下してきているといわれている. しかし, 身長や体重など子ども達の体格の平均値は, 運動能...
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          | Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 16; no. 1; pp. 9 - 16 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本生理人類学会
    
        2011
     Japan Society of Physiological Anthropology  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1342-3215 2432-0986  | 
| DOI | 10.20718/jjpa.16.1_9 | 
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| Summary: | 「緒言」 現在, 幼少期の生活体験や遊び体験, いわゆる三間(時間・空間・仲間)の大きな変化により, 子ども達の運動能力の低下が報告されている. また, このような社会的環境の変化により, 子ども達の運動能力の低下が児童期へトラッキングするのではと懸念されている1)2). 文部科学省が昭和39年度から実施している「体力・運動能力調査」によると, 今の子ども達は, 走・跳・投といった基本的な運動能力や筋力が1985年前後をピークに著しく低下傾向にあり, 柔軟性, 敏捷性などのからだをコントロールする能力も低下してきているといわれている. しかし, 身長や体重など子ども達の体格の平均値は, 運動能力とは逆に, 親の世代の同年齢の平均値を上回っている3)4). これは, 今の子ども達が, 体格は大きくなってはいるが自身の身体を動かす基礎的な身体能力が低下し, 深刻な状況にあることを示している. これらの子ども達の運動能力低下の原因の一つは, 学校外の学習活動や室内遊びの増加による外遊びやスポーツ活動の減少, 空き地や生活道路といった遊び場の減少, そして少子化による兄弟や友達といった遊び仲間の減少といった現代社会の変化によって, 子どもの運動能力の発達が阻害されていると考えられている. | 
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| ISSN: | 1342-3215 2432-0986  | 
| DOI: | 10.20718/jjpa.16.1_9 |