注意障害の評価法として作成した片付け課題の有用性に関する予備的研究

評価者の経験や観察場面に依存しない注意障害の評価方法として片付け課題を試作し,その有用性について検討した.中枢神経障害患者17名に対し,既存の神経心理学的検査と既存の観察評価,片付け課題を実施し,その結果を動きの多い動的な場面と動きの少ない静的な場面における注意障害所見と比較した.既存の検査では,動的な場面や静的な場面での注意障害所見を反映することができなかったが,片付け課題では静的な場面では感度86%/特異度68%,動的な場面では感度71%/特異度83%で注意障害所見を検出することが可能であった.これらより,片付け課題は評価者の経験や場面に依存せずに注意障害所見を反映できることが示唆された....

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Published in作業療法の実践と科学 Vol. 5; no. 3; pp. 68 - 78
Main Authors 中島, そのみ, 仙石, 泰仁, 金谷, 匡紘, 大柳, 俊夫, 山田, 恭平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 北海道作業療法士会 2023
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ISSN2434-5806
2433-8451
DOI10.32151/psot.5.3_68

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Summary:評価者の経験や観察場面に依存しない注意障害の評価方法として片付け課題を試作し,その有用性について検討した.中枢神経障害患者17名に対し,既存の神経心理学的検査と既存の観察評価,片付け課題を実施し,その結果を動きの多い動的な場面と動きの少ない静的な場面における注意障害所見と比較した.既存の検査では,動的な場面や静的な場面での注意障害所見を反映することができなかったが,片付け課題では静的な場面では感度86%/特異度68%,動的な場面では感度71%/特異度83%で注意障害所見を検出することが可能であった.これらより,片付け課題は評価者の経験や場面に依存せずに注意障害所見を反映できることが示唆された.
ISSN:2434-5806
2433-8451
DOI:10.32151/psot.5.3_68