異なる動作頻度の他動歩行様動作時における心臓活動応答
「緒言」ヒトの静止立位姿勢時には, 重力の影響で下肢に血液が貯留するため, 静脈還流量が減少する. その結果, 心肺圧受容器の脱負荷が起こるため, 心臓交感神経活動が優位になり心拍数 (Heart rate : HR) が増加する. このHR増加によって, 心筋酸素消費量を反映する二重積 (Double product : DP, HR×収縮期血圧) が増加する. さらに, 静止立位 (Quiet standing : QS) を継続すると, HRとDPは時間とともに徐々に増加していく. すなわち, QSの時間が長くなるほど心臓活動が増大する. 一方, QSを長く続けると, 過度な血圧低下と徐...
Saved in:
| Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 21; no. 1; pp. 23 - 28 |
|---|---|
| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本生理人類学会
25.02.2016
Japan Society of Physiological Anthropology |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1342-3215 2432-0986 |
| DOI | 10.20718/jjpa.21.1_23 |
Cover
| Summary: | 「緒言」ヒトの静止立位姿勢時には, 重力の影響で下肢に血液が貯留するため, 静脈還流量が減少する. その結果, 心肺圧受容器の脱負荷が起こるため, 心臓交感神経活動が優位になり心拍数 (Heart rate : HR) が増加する. このHR増加によって, 心筋酸素消費量を反映する二重積 (Double product : DP, HR×収縮期血圧) が増加する. さらに, 静止立位 (Quiet standing : QS) を継続すると, HRとDPは時間とともに徐々に増加していく. すなわち, QSの時間が長くなるほど心臓活動が増大する. 一方, QSを長く続けると, 過度な血圧低下と徐脈を特徴とする血管迷走神経反応が引き起こされ, 失神に至る場合がある. 一般的に, 血管迷走神経反応はBezold-Jarisch反射により説明される. この反射は, QS時の血液貯留による心室血液量の減少と, 心室収縮性の増大とに起因しており, 交感神経活動が優位な状態が一転して, 副交感神経活動の優位な状態となり, 過度な血圧低下と徐脈が生ずるものである. |
|---|---|
| ISSN: | 1342-3215 2432-0986 |
| DOI: | 10.20718/jjpa.21.1_23 |