緊急開腹術およびopen abdomen管理が奏功した フェノバルビタール合剤大量服薬による腹部コンパートメント症候群の1例

38歳男性。フェノバルビタール合剤を約180錠内服し搬送となった。意識レベルはGCS E1VTM1,血中フェノバルビタール濃度は77.7μg/mlであった。第1病日と第2病日に活性炭投与とDirect Hemoperfusion(DHP)を施行した。第3病日に,尿量減少,血圧低下を認め,膀胱内圧が25mmHg以上であり腹部コンパートメント症候群と診断し緊急開腹術を施行した。open abdomen管理とし,翌日閉腹した。第6病日に抜管し,第21病日に独歩退院となった。薬物による抗コリン作用に伴う麻痺性イレウスと血管内脱水に対する大量輸液が要因となって腹部コンパートメント症候群に至ったと考えられ...

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Published in蘇生 Vol. 35; no. 2; pp. 94 - 97
Main Authors 石原, 諭, 古賀, 聡人, 菊田, 正太, 中山, 伸一, 山根, 悠, 甲斐, 聡一朗, 川瀬, 太助, 井上, 明彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 01.08.2016
The Japanese Society of Reanimatology
Subjects
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology.35.2_94

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Summary:38歳男性。フェノバルビタール合剤を約180錠内服し搬送となった。意識レベルはGCS E1VTM1,血中フェノバルビタール濃度は77.7μg/mlであった。第1病日と第2病日に活性炭投与とDirect Hemoperfusion(DHP)を施行した。第3病日に,尿量減少,血圧低下を認め,膀胱内圧が25mmHg以上であり腹部コンパートメント症候群と診断し緊急開腹術を施行した。open abdomen管理とし,翌日閉腹した。第6病日に抜管し,第21病日に独歩退院となった。薬物による抗コリン作用に伴う麻痺性イレウスと血管内脱水に対する大量輸液が要因となって腹部コンパートメント症候群に至ったと考えられた。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.35.2_94