環境の変化と子どもの体位 : 仙台市における80年にわたる計測から(<特集>発育発達のフィールドワーク(71回大会シンポジウムの紹介))

• Published in: 日本生理人類学会誌 Vol. 20; no. 3; pp. 163 - 166
• Main Authors: 黒川, 修行, 佐藤, 洋
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本生理人類学会 25.08.2015; Japan Society of Physiological Anthropology
• Subjects: Height; Secular changes; Weight; 体重; 経年変化; 身長
• ISSN: 1342-3215; 2432-0986
• DOI: 10.20718/jjpa.20.3_163

「1. はじめに」 身体状態を正確に評価することは, 健康状態評価のための必須条件であり, 成長途上にある子どもの場合には, 身体の発育・発達状態の評価が健康状態把握の基本的条件となる. また, 肥満ややせ, 巨人・小人症など, 体型に現れる病気のスクリーニングとしても必要な情報となる. 児童・生徒の体位に関する調査は, 明治時代の中頃から全国的に行われてきた. 文部省(現 : 文部科学省)では明治期より行っており, その結果は毎年度ごとに文部省年報に掲載されている. しかし, 1940(昭和15)年代頃より太平洋戦争の影響により1940(昭和15)年から1947(昭和22)年までの8年間, そのデータが欠損していることが知られている. 1948(昭和23)年より文部省(現 : 文部科学省)では, 毎年4月～6月の間に学校保健統計調査を実施しているが, この報告によれば, 子どもたちの身長・体重は年々増加していると報告されてきた.