頸部リンパ節炎から深頸部膿瘍に至った侵襲性 A 群溶血性レンサ球菌感染症の2例
2024年現在, A 群溶血性レンサ球菌 (GAS) 感染症, および劇症型溶血性レンサ球菌感染症 (STSS) の増加が国内で報告され, 社会的な関心も高まっている. われわれは2024年5月の1カ月間に GAS を起炎菌とする深頸部膿瘍の2症例 (35歳女性と3歳男児) を経験した. 両者とも基礎疾患はなく, 咽頭痛や咽頭炎症所見を有さずに頸部リンパ節炎の状態から深頸部膿瘍に至った. 各膿瘍腔から検出した GAS は, 従来株であるM1global 株と T-B3264 株であった. GAS 感染が拡大している今般, われわれ耳鼻咽喉科医はこのような経過で発症・重症化する侵襲性 GAS 感...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 128; no. 1; pp. 46 - 51 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
20.01.2025
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 2436-5793 2436-5866 |
DOI | 10.3950/jibiinkotokeibu.128.1_46 |
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Summary: | 2024年現在, A 群溶血性レンサ球菌 (GAS) 感染症, および劇症型溶血性レンサ球菌感染症 (STSS) の増加が国内で報告され, 社会的な関心も高まっている. われわれは2024年5月の1カ月間に GAS を起炎菌とする深頸部膿瘍の2症例 (35歳女性と3歳男児) を経験した. 両者とも基礎疾患はなく, 咽頭痛や咽頭炎症所見を有さずに頸部リンパ節炎の状態から深頸部膿瘍に至った. 各膿瘍腔から検出した GAS は, 従来株であるM1global 株と T-B3264 株であった. GAS 感染が拡大している今般, われわれ耳鼻咽喉科医はこのような経過で発症・重症化する侵襲性 GAS 感染症を認識しておく必要があると考えられる. |
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ISSN: | 2436-5793 2436-5866 |
DOI: | 10.3950/jibiinkotokeibu.128.1_46 |