耳鼻咽喉科診療所による在宅嚥下障害診療
在宅嚥下障害診療は, いわゆる食支援につながり誤嚥性肺炎の予防にも重要であり, 耳鼻咽喉科医が積極的に関与すべき分野である. 当院は2013年の開院以来, 一般診療日とは別に往診日を設けて, 訪問看護リハビリステーションや介護事業所と連携して在宅嚥下障害診療を行っている. 2014年1月~2020年12月までの7年間に診療した204名 (延べ826回) について, 臨床像と診療・介入内容およびその有益性を述べる. 年齢別では, 60歳以上が90%以上を占めた. 基礎疾患では, 脳血管障害, 神経筋疾患, 加齢が多かった. 71.4%で食形態の改善が, 経口摂取不可患者の63.3%で経口摂取が可...
Saved in:
Published in | 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 126; no. 1; pp. 31 - 37 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
20.01.2023
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2436-5793 2436-5866 |
DOI | 10.3950/jibiinkotokeibu.126.1_31 |
Cover
Summary: | 在宅嚥下障害診療は, いわゆる食支援につながり誤嚥性肺炎の予防にも重要であり, 耳鼻咽喉科医が積極的に関与すべき分野である. 当院は2013年の開院以来, 一般診療日とは別に往診日を設けて, 訪問看護リハビリステーションや介護事業所と連携して在宅嚥下障害診療を行っている. 2014年1月~2020年12月までの7年間に診療した204名 (延べ826回) について, 臨床像と診療・介入内容およびその有益性を述べる. 年齢別では, 60歳以上が90%以上を占めた. 基礎疾患では, 脳血管障害, 神経筋疾患, 加齢が多かった. 71.4%で食形態の改善が, 経口摂取不可患者の63.3%で経口摂取が可能となり在宅嚥下障害診療の有益性が示された. また, 診療所経営の面でも在宅嚥下障害診療は安定した収入源になり得る. 在宅嚥下障害診療においては多職種連携が重要であり, 個々の診療所での対応は難しく組織的な取り組みが必要である. |
---|---|
ISSN: | 2436-5793 2436-5866 |
DOI: | 10.3950/jibiinkotokeibu.126.1_31 |