中枢神経保護
中枢神経保護に関する基礎研究はこの数十年間精力的に行われてきたが,臨床現場への貢献は非常に限定的である。相次ぐ多施設共同研究の否定的結果は多くの研究者を落胆させている。しかし,中枢神経保護に関する基礎研究は着実に進歩している。本稿では,no-reflow 現象と脳循環,麻酔薬の中枢神経保護作用,グルタミン酸毒性,虚血耐性についてまとめた。動物実験の成果を臨床応用するのは容易ではない。しかし,少しまわり道のように思えるが,動物実験の段階で多施設共同研究を行うことで動物実験でのバイアスを減らすことが,結局は基礎研究の結果を臨床応用する近道かもしれない。...
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Published in | 蘇生 Vol. 34; no. 2; pp. 65 - 70 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本蘇生学会
01.08.2015
The Japanese Society of Reanimatology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0288-4348 1884-748X |
DOI | 10.11414/jjreanimatology.34.65 |
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Summary: | 中枢神経保護に関する基礎研究はこの数十年間精力的に行われてきたが,臨床現場への貢献は非常に限定的である。相次ぐ多施設共同研究の否定的結果は多くの研究者を落胆させている。しかし,中枢神経保護に関する基礎研究は着実に進歩している。本稿では,no-reflow 現象と脳循環,麻酔薬の中枢神経保護作用,グルタミン酸毒性,虚血耐性についてまとめた。動物実験の成果を臨床応用するのは容易ではない。しかし,少しまわり道のように思えるが,動物実験の段階で多施設共同研究を行うことで動物実験でのバイアスを減らすことが,結局は基礎研究の結果を臨床応用する近道かもしれない。 |
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ISSN: | 0288-4348 1884-748X |
DOI: | 10.11414/jjreanimatology.34.65 |