シロリムス溶出性ステント留置から6年後の手術後に超遅発性ステント血栓症を発症した1症例

シロリムス溶出性ステント留置患者(72歳女性)の手術後に,超遅発性ステント血栓症(VLST : Very Late Stent Thrombosis)を来した1例を経験した。術前の抗血小板療法はアスピリン単剤で,低心機能のためワルファリンを内服していた。これらを手術10日前に中止し,未分画ヘパリンに置換して手術を行った。本症例のVLSTの原因はアスピリンの中断に加え,VLSTの危険因子(低心機能,晩期ステント圧着不良,ステント内動脈硬化)を有していたことが考えられた。各症例で手術の出血リスクと患者のVLST危険因子を評価し,周術期抗血小板療法の継続や中断を協議する必要がある。...

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Bibliographic Details
Published in蘇生 Vol. 35; no. 2; pp. 90 - 93
Main Authors 伊藤, 明日香, 米澤, 香, 牛島, 一男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 01.08.2016
The Japanese Society of Reanimatology
Subjects
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology.35.2_90

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Summary:シロリムス溶出性ステント留置患者(72歳女性)の手術後に,超遅発性ステント血栓症(VLST : Very Late Stent Thrombosis)を来した1例を経験した。術前の抗血小板療法はアスピリン単剤で,低心機能のためワルファリンを内服していた。これらを手術10日前に中止し,未分画ヘパリンに置換して手術を行った。本症例のVLSTの原因はアスピリンの中断に加え,VLSTの危険因子(低心機能,晩期ステント圧着不良,ステント内動脈硬化)を有していたことが考えられた。各症例で手術の出血リスクと患者のVLST危険因子を評価し,周術期抗血小板療法の継続や中断を協議する必要がある。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.35.2_90