片麻痺患者の横断歩道における歩行スピード

要旨 今回我々は脳卒中後片麻疹患者において, 屋内での歩行スピードと実際の横断歩道での歩行スピードを測定し, 熊本市における横断歩道の状況を参考に考察した. その結果, 屋内での歩行スピードは屋外においては十分に発揮されておらず, その原因としては患者の心理的因子や環境因子に加え, その場の状況判断力等様々な因子が考えられ, 単に屋内の歩行スピードだけではその実用性の有無を判断できないことがわかった. はじめに 脳卒中後片麻痺患者の屋外歩行の獲得は, 患者のQOLの拡大に重要な問題である. また, 可能となった屋外歩行が実用的レベルにあるか否かは, 歩行の安定性, 耐久力に加え歩行スピードが重...

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Published in理学療法学 Vol. 17; no. 5; pp. 459 - 462
Main Authors 野尻, 晋一, 土井, 篤, 野崎, 雄二, 中西, 亮二, 池田, 耕治, 山永, 裕明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 10.09.1990
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001306201

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Summary:要旨 今回我々は脳卒中後片麻疹患者において, 屋内での歩行スピードと実際の横断歩道での歩行スピードを測定し, 熊本市における横断歩道の状況を参考に考察した. その結果, 屋内での歩行スピードは屋外においては十分に発揮されておらず, その原因としては患者の心理的因子や環境因子に加え, その場の状況判断力等様々な因子が考えられ, 単に屋内の歩行スピードだけではその実用性の有無を判断できないことがわかった. はじめに 脳卒中後片麻痺患者の屋外歩行の獲得は, 患者のQOLの拡大に重要な問題である. また, 可能となった屋外歩行が実用的レベルにあるか否かは, 歩行の安定性, 耐久力に加え歩行スピードが重要な判断材料となる. なかでも10m歩行スピードは訓練室内で手軽に測定できることから広く歩行スピードの指標として使用されており, その実用レベルは10mを10秒(諸家により多少異なるが2-7))とされている. しかし, この値はあくまでも安全で平坦な平面上での歩行スピードであり, このスピードが屋外でも発揮されるかは疑問である.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001306201