入眠姿勢での寝心地が睡眠に及ぼす影響
1. はじめに 適正な睡眠の確保は心身の健康と密接な関係を持つ. 睡眠は日常的な現象であるが, 同時に生理・心理的な影響を受けやすい行動である1). 特に, 加齢により睡眠や生体リズムの機能が低下している高齢者2)では, 寝具や寝室の環境は若年者と比較にならないほど睡眠に大きな影響を与えると言われている. しかし, 寝具が睡眠に及ぼす影響に関する数少ない科学的研究も若年者を対象としたものばかりであり, 若年者以外を対象とした評価が望まれている3). 敷き寝具が睡眠に与える影響に関する従来の研究結果では, 慢性腰痛と睡眠障害を持つ対象者では寝具が睡眠や腰痛に及ぼす影響が異なるとする海外の報告が存...
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          | Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 12; no. 4; pp. 171 - 176 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本生理人類学会
    
        2007
     Japan Society of Physiological Anthropology  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1342-3215 2432-0986  | 
| DOI | 10.20718/jjpa.12.4_171 | 
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| Summary: | 1. はじめに 適正な睡眠の確保は心身の健康と密接な関係を持つ. 睡眠は日常的な現象であるが, 同時に生理・心理的な影響を受けやすい行動である1). 特に, 加齢により睡眠や生体リズムの機能が低下している高齢者2)では, 寝具や寝室の環境は若年者と比較にならないほど睡眠に大きな影響を与えると言われている. しかし, 寝具が睡眠に及ぼす影響に関する数少ない科学的研究も若年者を対象としたものばかりであり, 若年者以外を対象とした評価が望まれている3). 敷き寝具が睡眠に与える影響に関する従来の研究結果では, 慢性腰痛と睡眠障害を持つ対象者では寝具が睡眠や腰痛に及ぼす影響が異なるとする海外の報告が存在するが4-5), 健常者を対象とした研究では, 好みにより寝具の評価が変わるなど, 国内・海外を問わず明確な差を見出せていなかった6-11). また, 寝具の評価は気候などの生活環境要因や文化的背景に大きく左右される可能性が高いため, 海外の研究結果をそのまま適用することは困難である. | 
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| ISSN: | 1342-3215 2432-0986  | 
| DOI: | 10.20718/jjpa.12.4_171 |