著明な徐脈を認め抗横紋筋抗体が陽性であった高齢発症の重症筋無力症の1例

症例は79歳女性である.嚥下障害,構音障害などの球症状で初発し,日内・日差変動を伴う首下がりや四肢筋力低下を訴え来院した.抗アセチルコリン受容体抗体陽性の全身型重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と診断したが,胸部CT上は明らかな胸腺腫を指摘できなかった.MG症状の悪化に伴って著明な徐脈を呈し,二度の胸骨圧迫が施行された.一時的ペースメーカーが留置されたが,血漿浄化療法とステロイド治療により徐脈は消失した.後に,抗横紋筋抗体である抗Kv1.4抗体と抗titin抗体の陽性が確認され,抗横紋筋抗体と徐脈との関連が示唆された....

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Published in臨床神経学 Vol. 61; no. 8; pp. 543 - 546
Main Authors 藤田, 理奈, 的場, 俊, 森畑, 宏一, 井上, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2021
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001592

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Summary:症例は79歳女性である.嚥下障害,構音障害などの球症状で初発し,日内・日差変動を伴う首下がりや四肢筋力低下を訴え来院した.抗アセチルコリン受容体抗体陽性の全身型重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と診断したが,胸部CT上は明らかな胸腺腫を指摘できなかった.MG症状の悪化に伴って著明な徐脈を呈し,二度の胸骨圧迫が施行された.一時的ペースメーカーが留置されたが,血漿浄化療法とステロイド治療により徐脈は消失した.後に,抗横紋筋抗体である抗Kv1.4抗体と抗titin抗体の陽性が確認され,抗横紋筋抗体と徐脈との関連が示唆された.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001592