ある歯学部附属病院来院患者の受療行動と病院に対する評価 : 多重指標モデルの共分散構造分析
東京医科歯科大学歯学部附属病院を受診する患者は,当病院をどのように評価して受療行動をおこしているのか,臨床教育への評価は病院評価とどう関連しているのかを知ることを目的に,1日の外来患者1,483名を対象に自記式質問票による調査を実施した(回収率43.8%,分析対象者数650名)。病院評価項目と臨床教育に関する項目について,患者評価の構成概念を検討した後,多重指標モデルを作成し,共分散構造分析を行った。病院評価に影響を及ぼす因子として,『受療安心感』,『受療環境』,『歯科衛生士・看護師の態度と技能』および『歯科医師の技能と態度』という4つの構成概念を仮定した。また,これらの構成概念と関連する因子...
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          | Published in | JOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 52; no. 5; pp. 706 - 717 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 口腔衛生学会
    
        2002
     日本口腔衛生学会 Japanese Society for Oral Health  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0023-2831 2189-7379  | 
| DOI | 10.5834/jdh.52.5_706 | 
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| Summary: | 東京医科歯科大学歯学部附属病院を受診する患者は,当病院をどのように評価して受療行動をおこしているのか,臨床教育への評価は病院評価とどう関連しているのかを知ることを目的に,1日の外来患者1,483名を対象に自記式質問票による調査を実施した(回収率43.8%,分析対象者数650名)。病院評価項目と臨床教育に関する項目について,患者評価の構成概念を検討した後,多重指標モデルを作成し,共分散構造分析を行った。病院評価に影響を及ぼす因子として,『受療安心感』,『受療環境』,『歯科衛生士・看護師の態度と技能』および『歯科医師の技能と態度』という4つの構成概念を仮定した。また,これらの構成概念と関連する因子として,『臨床教育』という構成概念を想定し,これら構成概念の妥当性と相互関係を検証した。仮定したモデルのデータに対する適合度はRoot Mean Square Error of Approximation (RMSEA)=0.041,Goodness of Fit Index (GFI)=0.950および,Comparative Fit lndex (CFI)=0.971となり,統計学的な許容範囲にあった。このことから,高次歯科医療機関であり,かつ歯科医療教育機関である歯科教育病院において,患者による評価の面からは,安心して受療できる条件を整えることが重要であること,患者に対する歯科医療従事者の対応が病院評価および教育に対する評価・理解度に影響を及ぼすことが示唆された。 | 
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| ISSN: | 0023-2831 2189-7379  | 
| DOI: | 10.5834/jdh.52.5_706 |