外傷後ストレス障害に対する認知行動療法の効果 : メタ分析を用いた検証(原著)

本研究の目的は、近年の外傷後ストレス障害(PTSD)に対する認知行動療法の効果をメタ分析によって検証することと、PTSDの効果研究に関する今後の検討課題を明らかにすることであった。メタ分析の結果、PTSDに対する認知行動療法の有効性が明らかにされ、その適用範囲も拡張しつつあることが示された。さらに、今後の課題として、(1)対象者の症状プロフィールや状態像を考慮した介入法の検討を行うこと、(2)薬物療法と認知行動療法を組み合わせた際の効果について検証すること、(3)治療効果に作用する治療技法および要因を特定し、効率的かつ適切な介入法を検討すること、(4)治療効果に影響を及ぼす治療技法以外の要因に...

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Published in行動療法研究 Vol. 36; no. 2; pp. 119 - 129
Main Authors 田上, 明日香, 伊藤, 大輔, 大月, 友, 小関, 俊祐, 清水, 悠, 鈴木, 伸一, 兼子, 唯, 中澤佳, 奈子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 30.06.2010
日本行動療法学会
Subjects
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.36.2_119

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Summary:本研究の目的は、近年の外傷後ストレス障害(PTSD)に対する認知行動療法の効果をメタ分析によって検証することと、PTSDの効果研究に関する今後の検討課題を明らかにすることであった。メタ分析の結果、PTSDに対する認知行動療法の有効性が明らかにされ、その適用範囲も拡張しつつあることが示された。さらに、今後の課題として、(1)対象者の症状プロフィールや状態像を考慮した介入法の検討を行うこと、(2)薬物療法と認知行動療法を組み合わせた際の効果について検証すること、(3)治療効果に作用する治療技法および要因を特定し、効率的かつ適切な介入法を検討すること、(4)治療効果に影響を及ぼす治療技法以外の要因について検討すること、などが指摘された。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.36.2_119