健常日本人男性の血清尿酸値と有酸素性作業能の関わり

過食や身体活動量の低下に起因するいわゆる生活習慣病に対し, 運動療法が効果的な予防, 改善の手段として用いられている. これら生活習慣病と高尿酸血症が高率で合併することが報告されており1)2)3), 最近では高尿酸血症の心血管疾患リスクファクターとしての関わりが注目されている4). しかし, 血清尿酸値は運動時のadenine nucleotide degradationとプリン代謝亢進にともなう尿酸産生亢進5)6)7)と, 血中乳酸値の増加や腎血流量低下に伴う尿酸排泄低下8)9), その両者が関与することにより上昇することが知られている. したがって, 上記の生活習慣病が高尿酸血症を伴った場...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 8; no. 4; pp. 247 - 252
Main Authors 斉藤, 篤司, 大柿, 哲朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2003
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.8.4_247

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Summary:過食や身体活動量の低下に起因するいわゆる生活習慣病に対し, 運動療法が効果的な予防, 改善の手段として用いられている. これら生活習慣病と高尿酸血症が高率で合併することが報告されており1)2)3), 最近では高尿酸血症の心血管疾患リスクファクターとしての関わりが注目されている4). しかし, 血清尿酸値は運動時のadenine nucleotide degradationとプリン代謝亢進にともなう尿酸産生亢進5)6)7)と, 血中乳酸値の増加や腎血流量低下に伴う尿酸排泄低下8)9), その両者が関与することにより上昇することが知られている. したがって, 上記の生活習慣病が高尿酸血症を伴った場合, 運動処方は難しくなることが予想される. 実際, 肥満者に運動療法を継続的に実施した結果, 肥満の改善が認められたが, 血清尿酸値は上昇したという報告10)もある. 高尿酸血症者では一般に成人病の運動処方として推奨されている中等度強度の運動でも血清尿酸値は上昇することが報告されている11). また, 痛風患者では対照とした一般サラリーマンよりも運動, スポーツを嗜好する傾向が高いという報告12)や痛風群では非痛風群に比べ, 日常生活において激しい運動を行う傾向にあるという報告がある13).
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.8.4_247