多核細胞優位な髄液細胞増多を呈したVogt-小柳-原田病の経過中に 前部虚血性視神経症を併発した1例
【目的】髄液検査で多核細胞優位な細胞増多を呈したVogt-小柳-原田病(VKH)の経過中に,前部虚血性視神経症を併発した1例の報告. 【症例】62歳女性,数日前からの両眼霧視を主訴に当科へ紹介受診.両眼共に矯正視力は(0.5),限界フリッカ値は右眼28 Hz,左眼24 Hz.眼底検査で両視神経乳頭発赤と軽度の右乳頭腫脹を認め,両黄斑部を中心に多発する漿液性網膜剥離を認めた.VKHの診断でステロイドパルスを予定した.しかし髄液検査で多核細胞優位な細胞増多を呈しパルスを延期せざるを得なかった.さらに右眼の虚血性視神経症を併発し右眼の視力は回復しなかった. 【結論】VKHでは髄液検査でまれに多核細胞...
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| Published in | Neuro-Ophthalmology Japan Vol. 35; no. 3; pp. 309 - 316 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本神経眼科学会
25.09.2018
The Japanese Neuro-Ophthalmology Society |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0289-7024 2188-2002 |
| DOI | 10.11476/shinkeiganka.35.309 |
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| Summary: | 【目的】髄液検査で多核細胞優位な細胞増多を呈したVogt-小柳-原田病(VKH)の経過中に,前部虚血性視神経症を併発した1例の報告. 【症例】62歳女性,数日前からの両眼霧視を主訴に当科へ紹介受診.両眼共に矯正視力は(0.5),限界フリッカ値は右眼28 Hz,左眼24 Hz.眼底検査で両視神経乳頭発赤と軽度の右乳頭腫脹を認め,両黄斑部を中心に多発する漿液性網膜剥離を認めた.VKHの診断でステロイドパルスを予定した.しかし髄液検査で多核細胞優位な細胞増多を呈しパルスを延期せざるを得なかった.さらに右眼の虚血性視神経症を併発し右眼の視力は回復しなかった. 【結論】VKHでは髄液検査でまれに多核細胞増多を呈することがあり,診断には注意が必要である. |
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| ISSN: | 0289-7024 2188-2002 |
| DOI: | 10.11476/shinkeiganka.35.309 |