うっ血乳頭を合併した脳脊髄液減少症の1例

うっ血乳頭を合併した脳脊髄液減少症の1例を経験した.症例は60歳男性.自転車で転倒した後より,頭痛・めまい・吐気・耳鳴りが出現した.脳神経外科で画像上,慢性硬膜下血腫を認め,臨床症状からは脳脊髄液減少症の診断となり,硬膜外自家血注入を施行した.頭痛・めまい・吐気などの症状は改善したが,治療後1か月後に「焦点が合わない,歪む」との主訴で眼科を受診した.初診時両眼のうっ血乳頭を認めた.経過観察のみで徐々に乳頭腫脹および網膜出血は改善したが,硬膜外自家血注入は脳圧を上昇させる可能性も指摘されているため,今後,硬膜外自家血注入療法の際には,前後での眼科の診察が必要であると考えられた....

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Bibliographic Details
Published inNeuro-Ophthalmology Japan Vol. 31; no. 3; pp. 331 - 335
Main Authors 清水, 公也, 飯島, 綾, 後関, 利明, 金井, 昭文, 石川, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.09.2014
The Japanese Neuro-Ophthalmology Society
Subjects
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ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.31.331

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Summary:うっ血乳頭を合併した脳脊髄液減少症の1例を経験した.症例は60歳男性.自転車で転倒した後より,頭痛・めまい・吐気・耳鳴りが出現した.脳神経外科で画像上,慢性硬膜下血腫を認め,臨床症状からは脳脊髄液減少症の診断となり,硬膜外自家血注入を施行した.頭痛・めまい・吐気などの症状は改善したが,治療後1か月後に「焦点が合わない,歪む」との主訴で眼科を受診した.初診時両眼のうっ血乳頭を認めた.経過観察のみで徐々に乳頭腫脹および網膜出血は改善したが,硬膜外自家血注入は脳圧を上昇させる可能性も指摘されているため,今後,硬膜外自家血注入療法の際には,前後での眼科の診察が必要であると考えられた.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.31.331