小・中学校の養護教員に対する睡眠指導の効果 : 自己調整法と睡眠教育の比較検討
本研究では、小・中学校の養護教員22名に対して、睡眠教育および日誌記録を併せた自己調整法が生活習慣、睡眠、朝の気分や意欲に与える効果について検討することを目的とした。睡眠教育を実施後、教育のみ群と自己調整群(教育+セルフモニタリング)に分けた。両群に対して標的行動を設定するよう教示した後、自己調整群に対してのみ2週間、睡眠日誌に達成度を記録するよう求めた。その結果、自己調整群では就床時刻の前進や睡眠時間の有意な増加がみられ、起床時刻の不規則性も軽減した。さらに自己調整群では「毎朝(平日、休日ともに)、ほぼ決まった時刻に起きる」などの習慣が改善し、睡眠や朝の気分、意欲が改善した。一方、教育のみ群...
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Published in | 行動療法研究 Vol. 40; no. 2; pp. 83 - 93 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
31.05.2014
日本認知・行動療法学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0910-6529 2424-2594 |
DOI | 10.24468/jjbt.40.2_83 |
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Summary: | 本研究では、小・中学校の養護教員22名に対して、睡眠教育および日誌記録を併せた自己調整法が生活習慣、睡眠、朝の気分や意欲に与える効果について検討することを目的とした。睡眠教育を実施後、教育のみ群と自己調整群(教育+セルフモニタリング)に分けた。両群に対して標的行動を設定するよう教示した後、自己調整群に対してのみ2週間、睡眠日誌に達成度を記録するよう求めた。その結果、自己調整群では就床時刻の前進や睡眠時間の有意な増加がみられ、起床時刻の不規則性も軽減した。さらに自己調整群では「毎朝(平日、休日ともに)、ほぼ決まった時刻に起きる」などの習慣が改善し、睡眠や朝の気分、意欲が改善した。一方、教育のみ群では「目標を立てるときは、できそうなことから始める」という習慣が改善した。以上、本研究より、自己調整法は生活の夜型化・不規則化の防止、睡眠確保に有効であり、睡眠や朝の気分、意欲を改善することが示唆された。 |
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ISSN: | 0910-6529 2424-2594 |
DOI: | 10.24468/jjbt.40.2_83 |