うつ病休職者の職場復帰の困難感と社会機能およびうつ症状との関連 : 職場復帰の困難感尺度の作成

本研究の目的は、うつ病休職者の職場復帰の困難感を測定する尺度を作成し、さらにその尺度をもとに職場復帰の困難感の特徴を明らかにすることであった。単極性のうつ病と診断された34名を対象に職場復帰の困難感について自由記述による回答を求め、項目案を作成した。次に、単極性のうつ病と診断された休職者60名を対象にその項目について探索的因子分析を行い、「職場で必要な体力面の困難」「職場復帰後の対人面の困難」「職務に必要な認知機能面での困難」の3因子10項目から構成されることが示され、十分な信頼性と内容的妥当性、併存的妥当性が確認された。そこで、職場復帰の困難感尺度を使用してタイプ分類を実施したところ、四つの...

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Published in行動療法研究 Vol. 38; no. 1; pp. 11 - 22
Main Authors 田上, 明日香, 大野, 真由子, 白井, 麻理, 鈴木, 伸一, 嶋田, 洋徳, 伊藤, 大輔, 清水, 馨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 31.01.2012
日本行動療法学会
Subjects
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.38.1_11

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Summary:本研究の目的は、うつ病休職者の職場復帰の困難感を測定する尺度を作成し、さらにその尺度をもとに職場復帰の困難感の特徴を明らかにすることであった。単極性のうつ病と診断された34名を対象に職場復帰の困難感について自由記述による回答を求め、項目案を作成した。次に、単極性のうつ病と診断された休職者60名を対象にその項目について探索的因子分析を行い、「職場で必要な体力面の困難」「職場復帰後の対人面の困難」「職務に必要な認知機能面での困難」の3因子10項目から構成されることが示され、十分な信頼性と内容的妥当性、併存的妥当性が確認された。そこで、職場復帰の困難感尺度を使用してタイプ分類を実施したところ、四つの類型を得た(全般困難型、復職後の対人関係困難型、体力・認知機能困難型、困難少型)。最後に、それぞれの類型にあわせた支援について議論がなされた。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.38.1_11