イヌの実験的歯周炎歯肉への異なるブラッシング法による機械的刺激効果

「緒言」ブラッシングによる機械的刺激が歯肉炎の微小循環機能に及ぼす効果について, イヌ健常歯肉に毛先微振動による機械的刺激を加えた結果, 短期的には60分以上の歯肉組織酸素分圧の上昇を認め1), この変化は, 辺縁歯肉に刺激を加えた場合に比して付着歯肉に刺激を加えたほうが大きかった2). 次いで, イヌの実験的歯周炎歯肉にこうした刺激を15日間行ったところ, 歯垢除去と機械的刺激を行った場合だけでなく, 歯垢の存在下で機械的刺激のみを行った場合にも, 機械的刺激単独による歯周炎の改善効果を認めた3). これらのことから, 歯ブラシの毛先微振動による歯肉への機械的刺激の有用性が示唆された. しか...

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Published inJOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 49; no. 2; pp. 240 - 242
Main Authors 田中, 宗雄, 雫石, 聰, 埴岡, 隆, 松森, 由希子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 1999
日本口腔衛生学会
Japanese Society for Oral Health
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.49.2_240

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Summary:「緒言」ブラッシングによる機械的刺激が歯肉炎の微小循環機能に及ぼす効果について, イヌ健常歯肉に毛先微振動による機械的刺激を加えた結果, 短期的には60分以上の歯肉組織酸素分圧の上昇を認め1), この変化は, 辺縁歯肉に刺激を加えた場合に比して付着歯肉に刺激を加えたほうが大きかった2). 次いで, イヌの実験的歯周炎歯肉にこうした刺激を15日間行ったところ, 歯垢除去と機械的刺激を行った場合だけでなく, 歯垢の存在下で機械的刺激のみを行った場合にも, 機械的刺激単独による歯周炎の改善効果を認めた3). これらのことから, 歯ブラシの毛先微振動による歯肉への機械的刺激の有用性が示唆された. しかし, 付着歯肉に対して毛先微振動刺激を加えるというブラッシング法は一般には行われておらず, むしろ, 毛の脇腹を使用するローリング法がマッサージ効果を期待する方法として広く行われてきた. そこで本研究では, 毛先による刺激法と毛の脇腹による刺激法の効果について比較検討することを目的とした. 材料と方法 雑種のイヌ4頭(10~15kg)の第4小臼歯および第1大臼歯に対して, 歯石除去およびブラッシングを週2回ずつ4週間行い, 被験歯頬側歯肉について歯肉炎指数(MGF)4)が0でかつ歯周ポケット深さ(PPD)が2mm以下となったことを確認した.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.49.2_240