80歳以上の高齢者における歯科保健に関する研究 : 20歯以上保有者からの検討
山形県上山市に在住する80歳以上の高齢者全員に, 1995年7月から9月にかけて質問紙による意識調査を郵送法で行った。その結果,現在歯数が20本以上あると回答したもの66人(男性42人,女性24人)のうち,訪問による歯の調査について承諾が得られ,かつ実際に現在歯数が20本以上のもの54人(男性37人,女性17人)について,訪問調査を実施したところ,次のような結果が得られた。1.質問紙法による意識調査で20本以上あると回答したものと,訪問調査での結果の一致度は94.7%であった。2.現在歯の平均歯数は,男性が24.6本,女性が23.3本であり,男性のほうが1.3本多かった。3.健全歯数の割合が最...
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| Published in | JOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 48; no. 3; pp. 342 - 349 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
1998
日本口腔衛生学会 Japanese Society for Oral Health |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI | 10.5834/jdh.48.3_342 |
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| Summary: | 山形県上山市に在住する80歳以上の高齢者全員に, 1995年7月から9月にかけて質問紙による意識調査を郵送法で行った。その結果,現在歯数が20本以上あると回答したもの66人(男性42人,女性24人)のうち,訪問による歯の調査について承諾が得られ,かつ実際に現在歯数が20本以上のもの54人(男性37人,女性17人)について,訪問調査を実施したところ,次のような結果が得られた。1.質問紙法による意識調査で20本以上あると回答したものと,訪問調査での結果の一致度は94.7%であった。2.現在歯の平均歯数は,男性が24.6本,女性が23.3本であり,男性のほうが1.3本多かった。3.健全歯数の割合が最も高い歯種は,下顎左側側切歯の約78%,最も低い歯種は,上顎右側第二大臼歯の約11%であった。このうち,健金歯数の割合が最も高い歯種は,男性では下顎左側中・側切歯,女性では下顎左側側切歯であり,最も低い歯種は,男性では上顎右側第二大臼歯,女性では下顎左側第二大臼歯であった。4.咬合関係において,咀嚼機能の保持が難しいと思われるものが対象者の22%にみられた。5.高齢者歯科保健において,「かかりつけ歯科医」は重要な役割を担う存在になることが示唆された。 |
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| ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI: | 10.5834/jdh.48.3_342 |