自閉症児を対象とした臨床スタッフの教授行動改善に及ぼすTrainer-Trainingの効果(実践研究)

本研究では、自閉症児を対象とした臨床活動に携わっているボランティアスタッフ5名に対して、応用行動分析の基本的なレクチャーと、参加スタッフの臨床場面を録画したビデオを視聴し、相互にフィードバックを行うというトレーニングを実施し、その効果を検討した。その結果、課題場面においてはすべてのスタッフにおいてパフォーマンスの向上がみられ、3名の参加スタッフの課題場面で対象児の正反応率は上昇し、逸脱行動はほぼ消失した。しかし一方で、遊び場面においては顕著な変容はみられなかった。また、トレーニングプログラム終了時に、すべての参加スタッフから、本トレーニングプログラムに対する肯定的な感想が得られた。トレーニング...

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Published in行動療法研究 Vol. 32; no. 1; pp. 45 - 64
Main Authors 大久保, 賢一, 井上, 雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 31.03.2006
日本行動療法学会
Subjects
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.32.1_45

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Summary:本研究では、自閉症児を対象とした臨床活動に携わっているボランティアスタッフ5名に対して、応用行動分析の基本的なレクチャーと、参加スタッフの臨床場面を録画したビデオを視聴し、相互にフィードバックを行うというトレーニングを実施し、その効果を検討した。その結果、課題場面においてはすべてのスタッフにおいてパフォーマンスの向上がみられ、3名の参加スタッフの課題場面で対象児の正反応率は上昇し、逸脱行動はほぼ消失した。しかし一方で、遊び場面においては顕著な変容はみられなかった。また、トレーニングプログラム終了時に、すべての参加スタッフから、本トレーニングプログラムに対する肯定的な感想が得られた。トレーニングプログラムの効果、プログラム実施の際における配慮点、今後の課題について考察がなされた。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.32.1_45