就寝前の加温カフェインによる連続洗口は健常者の口腔内細菌叢を変化させる
カフェインは,コーヒー,紅茶,緑茶および烏龍茶などの飲料に含まれる良く知られた成分の一つである.それらの飲料は加温して飲まれることが多い.われわれのこれまでのin vitroでの試験において,そのような加温されたカフェイン液(HC)が,短時間で,口腔常在細菌種と比較して多くの誤嚥性肺炎起因菌種の生存率を低下させ,口腔細菌叢を改善する可能性が示された.そこで,HCが実際に口腔細菌叢に影響を及ぼすかどうかを調べるため,健常者を被験者(n=9)として単群のブラインド化されない27日間の介入試験を実施した.この結果,好気性連鎖球菌は,好気性細菌の中で高い割合を示し,介入による変化がみられなかった.嫌気...
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| Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 62; no. 4; pp. 357 - 364 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
30.07.2012
日本口腔衛生学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI | 10.5834/jdh.62.4_357 |
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| Summary: | カフェインは,コーヒー,紅茶,緑茶および烏龍茶などの飲料に含まれる良く知られた成分の一つである.それらの飲料は加温して飲まれることが多い.われわれのこれまでのin vitroでの試験において,そのような加温されたカフェイン液(HC)が,短時間で,口腔常在細菌種と比較して多くの誤嚥性肺炎起因菌種の生存率を低下させ,口腔細菌叢を改善する可能性が示された.そこで,HCが実際に口腔細菌叢に影響を及ぼすかどうかを調べるため,健常者を被験者(n=9)として単群のブラインド化されない27日間の介入試験を実施した.この結果,好気性連鎖球菌は,好気性細菌の中で高い割合を示し,介入による変化がみられなかった.嫌気性細菌では,介入により嫌気性連鎖球菌の割合が上昇し,Prevotella属の割合が減少傾向を示し,歯周病菌等嫌気性のグラム陰性菌の割合が減少した可能性が示唆された.これらの結果から,HCによる洗口は,常在菌の割合を留め,歯周病菌等の割合を減少させることにより,健康な健常者の細菌叢を改善したものと推察された. |
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| ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI: | 10.5834/jdh.62.4_357 |