局所筋冷却域の違いによる皮膚温がH反射に及ぼす影響

環境温度の変化によってヒトの身体は体温調節機能を働かせ恒常な体温を保っている. 体温調節と同様に骨格筋の収縮様式が外界の環境温度に影響を受けることは, 日常生活上の経験により誰もが認めるところである. 骨格筋の活動は, 支配されている運動神経の活動に依存し神経-筋システムを構成している. この神経-筋システムは, 中枢から末梢にいたる神経系の影響だけでなく, 皮膚に受容器をもつ感覚神経系の上向性入力にも影響を受けることが知られている1)2). そこで, 本研究では神経-筋システムに影響を与える一つのファクターとして皮膚表面温度に着目した. すなわち環境温の低下による皮膚表面温度の変化が, 脊髄...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 3; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 宮崎, 正己, 佐藤, 健, 井川, 正治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 1998
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.3.1_1

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Summary:環境温度の変化によってヒトの身体は体温調節機能を働かせ恒常な体温を保っている. 体温調節と同様に骨格筋の収縮様式が外界の環境温度に影響を受けることは, 日常生活上の経験により誰もが認めるところである. 骨格筋の活動は, 支配されている運動神経の活動に依存し神経-筋システムを構成している. この神経-筋システムは, 中枢から末梢にいたる神経系の影響だけでなく, 皮膚に受容器をもつ感覚神経系の上向性入力にも影響を受けることが知られている1)2). そこで, 本研究では神経-筋システムに影響を与える一つのファクターとして皮膚表面温度に着目した. すなわち環境温の低下による皮膚表面温度の変化が, 脊髄の興奮性にどのような影響を及ぼすか調べた. これまで, 外界の温度環境の変化に応答する生体の生理的変化は, 様々な分野からの研究対象とされてきた. その中でも, 神経生理学の立場からは, 環境温の変化によって, 神経-筋システムの活動様式が変化し, 適応していく過程について, 数多くの研究がなされてきた3)4). これらは, 筋疲労のメカニズムや筋収縮を研究する上で非常に重要な要因であることが報告されている.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.3.1_1