通所利用在宅高齢者における前向き姿勢Sense of Coherenceと栄養状態および口腔状態との関連性について

本研究では,要介護高齢者を対象として,低栄養を予防する要因を探るため,Sense of Coherence(前向き姿勢:SOC)と簡易栄養状態評価(MNA)との関連,さらに,SOCと身体自立度(ADL),生活習慣および口腔関連因子との関連について調べた.対象は北九州市内および近隣市に居住し,高齢者施設を利用する要介護在宅高齢者66名のうち,認知症・うつなど精神的問題がないと判断された63名(男性20名,女性43名,平均年齢81.1±7.0歳)について,面接聞き取り法によるSOC評価,MNAによる栄養状態の評価,また口腔の健康評価として,口腔内診査,嚥下機能検査を行った.生活習慣については面接聞...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 64; no. 3; pp. 278 - 283
Main Authors 粟野, 秀慈, 出分, 菜々衣, 安細, 敏弘, 濱嵜, 朋子, 吉田, 明弘, 邵, 仁浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 30.04.2014
日本口腔衛生学会
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.64.3_278

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Summary:本研究では,要介護高齢者を対象として,低栄養を予防する要因を探るため,Sense of Coherence(前向き姿勢:SOC)と簡易栄養状態評価(MNA)との関連,さらに,SOCと身体自立度(ADL),生活習慣および口腔関連因子との関連について調べた.対象は北九州市内および近隣市に居住し,高齢者施設を利用する要介護在宅高齢者66名のうち,認知症・うつなど精神的問題がないと判断された63名(男性20名,女性43名,平均年齢81.1±7.0歳)について,面接聞き取り法によるSOC評価,MNAによる栄養状態の評価,また口腔の健康評価として,口腔内診査,嚥下機能検査を行った.生活習慣については面接聞き取りによる質問紙調査を行った.  その結果,SOCスコアは運動習慣,MNA,食欲,現在歯数との間に有意な関連性がみられた.さらに重回帰分析を行ったところ,交絡因子による調整後もSOCスコアとMNAとの間の有意性は保たれた.  したがって,高齢者の栄養状態の維持には前向きな姿勢が関与していることが示唆された.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.64.3_278