高齢者と若年者の歩行動作時の左右動揺 : 歩行の動作解析を用いた検討

「1. 緒言」日本は総人口に占める高齢者の割合が21.5%という高齢社会を迎えている. それに伴う介護保険の要介護・要支援者と認定された65歳以上の占める人数は約332.4万人であり, 今後も増加が予想されている. 介護が必要となる主な原因は「脳血管疾患」が27.7%と最も多く, 次いで, 高齢による「衰弱」16.1%, 「骨折・転倒」11.8%, 「痴呆」10.7%と言われている1). 要介護の原因となった「骨折・転倒」は「脳血管疾患」にも繋がり, 転倒による下肢の大腿骨頚部骨折は寝たきりの遠因になり, 身体の「衰弱」にも繋がる. 「骨折・転倒」の影響は, 当事者のQOLの低下だけでなく,...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 15; no. 1; pp. 9 - 16
Main Authors 宮野, 道雄, 山田, 冨美雄, 高橋, 隆宜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2010
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.15.1_9

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Summary:「1. 緒言」日本は総人口に占める高齢者の割合が21.5%という高齢社会を迎えている. それに伴う介護保険の要介護・要支援者と認定された65歳以上の占める人数は約332.4万人であり, 今後も増加が予想されている. 介護が必要となる主な原因は「脳血管疾患」が27.7%と最も多く, 次いで, 高齢による「衰弱」16.1%, 「骨折・転倒」11.8%, 「痴呆」10.7%と言われている1). 要介護の原因となった「骨折・転倒」は「脳血管疾患」にも繋がり, 転倒による下肢の大腿骨頚部骨折は寝たきりの遠因になり, 身体の「衰弱」にも繋がる. 「骨折・転倒」の影響は, 当事者のQOLの低下だけでなく, 近親の家族にも多大な影響を与えることがある. 厚生労働省は2006年から施行された改正介護保険法により, 地域包括支援事業を介して, 一般高齢者と特定高齢者, 要支援1・2の認定者を対象とした介護予防活動を実施している. 介護予防事業には, 通所型, 訪問型があり, 通所型で運動器の機能向上, 栄養改善, 口腔機能の向上が行なわれている2).
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.15.1_9