特定健診対象者における歯周疾患スクリーニングテストとメタボリックシンドロームとの関連性

本研究の目的は特定健診対象者における歯周疾患スクリーニングテストとメタボリックシンドロームの関連を検討することである.2009,2010年度に本調査に参加した40〜74歳,488名を本研究対象とした.唾液中の潜血反応を利用した歯周疾患スクリーニングテストを行い,対象者を陽性群,陰性群に分けた.また特定健診の結果からメタボリックシンドローム判定項目である肥満,高血圧,高血糖,および脂質異常を定義した.さらに肥満者でかつ判定項目3つ(高血圧,高血糖,脂質異常)のうち2つ以上を持つ者をメタボリックシンドロームと定義した.年齢,性別,および喫煙状況を共変量としたロジスティック回帰モデルを用い,歯周疾患...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 61; no. 5; pp. 573 - 580
Main Authors 葭原, 明弘, 宮崎, 秀夫, 岩崎, 正則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2011
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.61.5_573

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Summary:本研究の目的は特定健診対象者における歯周疾患スクリーニングテストとメタボリックシンドロームの関連を検討することである.2009,2010年度に本調査に参加した40〜74歳,488名を本研究対象とした.唾液中の潜血反応を利用した歯周疾患スクリーニングテストを行い,対象者を陽性群,陰性群に分けた.また特定健診の結果からメタボリックシンドローム判定項目である肥満,高血圧,高血糖,および脂質異常を定義した.さらに肥満者でかつ判定項目3つ(高血圧,高血糖,脂質異常)のうち2つ以上を持つ者をメタボリックシンドロームと定義した.年齢,性別,および喫煙状況を共変量としたロジスティック回帰モデルを用い,歯周疾患スクリーニングテストとメタボリックシンドロームの関連を評価した.歯周疾患スクリーニングテスト陰性群を基準としたとき,陽性群の肥満,およびメタボリックシンドロームに対する調整オッズ比はそれぞれ1.64(95%信頼区間=1.03-2.61)および2.49(95%信頼区間=1.34-4.63)であり,統計学的に有意だった.歯周疾患スクリーニングテスト結果と高血圧,高血糖,および脂質異常の間には統計学的に有意な関連は認められなかった.本研究結果から,特定健診対象者において歯周疾患スクリーニングテストとメタボリックシンドロームの間には有意な関連があることが示された.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.61.5_573