冠動脈バイパス術における術前腎機能障害と術後高次脳機能障害
【目的】冠動脈バイパス術後の高次脳機能障害(POCD)における慢性腎臓病の影響を検討した。【方法】315例を対象としeGFR:>60(137例),30~60(145例),<30 ml/min/1.73 m2(33例)の3群間でPOCDを比較した。【結果】3群の平均年齢は各々71, 73, 69歳で広範な脳白質病変を28, 34, 45%に合併しPOCDは40, 50, 64%と腎機能低下に伴い増加した(P<0.05)。多変量解析によるPOCDの危険因子は男性,加齢,脳白質病変,頸動脈プラーク,教育歴,術前認知障害とeGFRであった。【結論】POCDはeGFRが低下するほど高率...
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Published in | Cardiovascular Anesthesia Vol. 21; no. 1; pp. 123 - 129 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
2017
日本心臓血管麻酔学会 |
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ISSN | 1342-9132 1884-7439 |
DOI | 10.11478/jscva.2016-2-017 |
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Summary: | 【目的】冠動脈バイパス術後の高次脳機能障害(POCD)における慢性腎臓病の影響を検討した。【方法】315例を対象としeGFR:>60(137例),30~60(145例),<30 ml/min/1.73 m2(33例)の3群間でPOCDを比較した。【結果】3群の平均年齢は各々71, 73, 69歳で広範な脳白質病変を28, 34, 45%に合併しPOCDは40, 50, 64%と腎機能低下に伴い増加した(P<0.05)。多変量解析によるPOCDの危険因子は男性,加齢,脳白質病変,頸動脈プラーク,教育歴,術前認知障害とeGFRであった。【結論】POCDはeGFRが低下するほど高率で脳白質病変の関与が示唆された。 |
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ISSN: | 1342-9132 1884-7439 |
DOI: | 10.11478/jscva.2016-2-017 |