Parvimonas micraにより生じた気管支中心性肉芽腫の一例
症例は69歳女性. X年3月に咳嗽が出現,近医で撮像された胸部X線で右上肺野腫瘤影を認めた.肺化膿症が疑われ,抗菌薬投与されるも改善せず,同年7月に間欠的な血痰を呈し,胸部X線で指摘されていた陰影の増大を指摘され当科紹介となった.悪性腫瘍を念頭に経気管支肺生検,CTガイド下肺生検を施行も確定診断に到らなかった.その後一時腫瘤は縮小したが同年11月に再増大し,確定診断目的で胸腔鏡下肺部分切除を施行した.病理学的には気道を中心とした壊死性肉芽腫を認め,気管支中心性肉芽腫を示唆する所見であった.後に組織培養から Parvimonas micraが検出され,また病理組織内にグラム陽性球菌の集隗を認めた...
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| Published in | 天理医学紀要 Vol. 25; no. 2; pp. 98 - 105 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所
25.12.2022
天理よろづ相談所医学研究所 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1344-1817 2187-2244 |
| DOI | 10.12936/tenrikiyo.25-009 |
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| Summary: | 症例は69歳女性. X年3月に咳嗽が出現,近医で撮像された胸部X線で右上肺野腫瘤影を認めた.肺化膿症が疑われ,抗菌薬投与されるも改善せず,同年7月に間欠的な血痰を呈し,胸部X線で指摘されていた陰影の増大を指摘され当科紹介となった.悪性腫瘍を念頭に経気管支肺生検,CTガイド下肺生検を施行も確定診断に到らなかった.その後一時腫瘤は縮小したが同年11月に再増大し,確定診断目的で胸腔鏡下肺部分切除を施行した.病理学的には気道を中心とした壊死性肉芽腫を認め,気管支中心性肉芽腫を示唆する所見であった.後に組織培養から Parvimonas micraが検出され,また病理組織内にグラム陽性球菌の集隗を認めたことから,本菌により気管支中心性肉芽腫の病理像を呈したと推測された. |
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| ISSN: | 1344-1817 2187-2244 |
| DOI: | 10.12936/tenrikiyo.25-009 |