齲蝕リスク評価による若者における歯石沈着の予測性
歯石は歯周疾患のリスク因子の一つであり,歯石の沈着にはプラークの付着と唾液性状の関わりが大きい.歯石沈着のしやすさを,齲蝕リスク評価に用いられている唾液検査で予測できるという仮説を立てた.そこで,唾液流出量,唾液緩衝能,唾液pHおよび唾液の粘稠度と,歯石沈着との関連を分析した.また,口腔清掃習慣と歯石沈着との関連についても検討した.目的変数を歯石除去および研磨後の8週間後の歯石沈着状態とし,歯石沈着の「多い」グループ,「少ない」グループに2分し,説明変数として各唾液検査項目のそれぞれを同じく平均値で2水準化し分析した.その結果,齲蝕リスク判定に用いられている唾液検査結果のうち,唾液粘稠度の「さ...
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Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 59; no. 2; pp. 86 - 92 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
2009
日本口腔衛生学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
DOI | 10.5834/jdh.59.2_86 |
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Summary: | 歯石は歯周疾患のリスク因子の一つであり,歯石の沈着にはプラークの付着と唾液性状の関わりが大きい.歯石沈着のしやすさを,齲蝕リスク評価に用いられている唾液検査で予測できるという仮説を立てた.そこで,唾液流出量,唾液緩衝能,唾液pHおよび唾液の粘稠度と,歯石沈着との関連を分析した.また,口腔清掃習慣と歯石沈着との関連についても検討した.目的変数を歯石除去および研磨後の8週間後の歯石沈着状態とし,歯石沈着の「多い」グループ,「少ない」グループに2分し,説明変数として各唾液検査項目のそれぞれを同じく平均値で2水準化し分析した.その結果,齲蝕リスク判定に用いられている唾液検査結果のうち,唾液粘稠度の「さらさら・ふつう」唾液のものに有意に歯石沈着が多かった.また,デンタルフロス使用グループでは,歯石増加率で有意な歯石沈着抑制がみられた. |
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ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.59.2_86 |