帯状疱疹による痛みが原因で腎盂腎炎を合併した1症例

「I はじめに」 仙髄領域の帯状疱疹の重篤な合併症に神経障害による膀胱直腸障害が原因の尿路感染に伴う敗血症の報告がある. 今回は膀胱直腸障害がみられなかったにもかかわらず, 痛みにより会陰部の清浄が保てなかったことが原因で腎盂腎炎を発症し, 敗血症状態に至った症例を経験したので報告する. 今回の報告に関して, 本人より書面での同意を得た. 「II 症例」 73歳女性, 身長147.0cm, 体重50.4kg. 既存症にシェーグレン症候群と甲状腺機能低下症があり, レボチロキシンナトリウムとプレドニゾロン2mg/日を内服中であった. 臨床経過:臀部の皮疹出現3日後, 次第に増強する疼痛のため前医...

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Published inJournal of Japan Society of Pain Clinicians Vol. 31; no. 6; pp. 122 - 123
Main Authors 青木, 利奈, 濱﨑, 順一郎, 大納, 哲也, 藤井, 真樹子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.06.2024
日本ペインクリニック学会
Japan Society of Pain Clinicians
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.23-0062

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Summary:「I はじめに」 仙髄領域の帯状疱疹の重篤な合併症に神経障害による膀胱直腸障害が原因の尿路感染に伴う敗血症の報告がある. 今回は膀胱直腸障害がみられなかったにもかかわらず, 痛みにより会陰部の清浄が保てなかったことが原因で腎盂腎炎を発症し, 敗血症状態に至った症例を経験したので報告する. 今回の報告に関して, 本人より書面での同意を得た. 「II 症例」 73歳女性, 身長147.0cm, 体重50.4kg. 既存症にシェーグレン症候群と甲状腺機能低下症があり, レボチロキシンナトリウムとプレドニゾロン2mg/日を内服中であった. 臨床経過:臀部の皮疹出現3日後, 次第に増強する疼痛のため前医皮膚科を受診し, 帯状疱疹と診断され加療のため入院となった. アシクロビル点滴静注とプレドニゾロン22mg/日を投与され, 1週間後退院となった. 退院後に疼痛増強(visual analog scale : VAS 100mm)したため鎮痛薬内服(ミロガバリン5mg/日・ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液16単位/日・アセトアミノフェン1,500mg/日)が開始された.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.23-0062