某プロ野球球団選手における歯科健診結果と咬合状態の関連について

某プロ野球球団に所属する選手84名を対象に,歯と歯周組織の診査,および咬合圧測定用感圧フィルムを用いた咬合力や咬合の左右のバランスの測定を行った.本研究では,咬合状態と歯や歯周組織の状態との関連性について調べた.対象者の1人平均DMF歯数は,歯科疾患実態調査における同年齢層とほぼ同様であった.咬合状態とDMF歯数との関連については,D歯数やM歯数が多いほど総咬合面積や総咬合力は小さく,平均圧力は大きい傾向にあった.特にC_4 の歯数と総咬合力との間には,有意な負の相関関係が認められた(r=-0.225, p<0.05).咬合状態の左右のバランスについて調べたところ,片側のみにD歯のある着...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 56; no. 2; pp. 156 - 160
Main Authors 嶋崎, 義浩, 豊嶋, 優子, 齋藤, 俊行, 山下, 喜久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2006
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.56.2_156

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Summary:某プロ野球球団に所属する選手84名を対象に,歯と歯周組織の診査,および咬合圧測定用感圧フィルムを用いた咬合力や咬合の左右のバランスの測定を行った.本研究では,咬合状態と歯や歯周組織の状態との関連性について調べた.対象者の1人平均DMF歯数は,歯科疾患実態調査における同年齢層とほぼ同様であった.咬合状態とDMF歯数との関連については,D歯数やM歯数が多いほど総咬合面積や総咬合力は小さく,平均圧力は大きい傾向にあった.特にC_4 の歯数と総咬合力との間には,有意な負の相関関係が認められた(r=-0.225, p<0.05).咬合状態の左右のバランスについて調べたところ,片側のみにD歯のある着では,齲蝕側は健康側に比べ総咬合面積(p=0.01)と総咬合力(p=0.02)が有意に小さく,最大圧力(p=0.03)は有意に大きかった.このことから,齲蝕が左右側の片側のみに存在する場合,齲蝕側の咬合面積が減少する一方で,咬合圧は増加し,齲蝕側に負担加重を生じる可能性が示唆された.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.56.2_156