帯状疱疹痛の治療中に食道がんが発見された1症例
「I はじめに」 帯状疱疹と内臓悪性腫瘍との関連については古くから報告されている. 今回われわれは, 帯状疱疹痛の治療中にのどのつかえ感から食道がんを発見し得た症例を経験した. 帯状疱疹罹患者は本人が自覚していない悪性疾患を合併している可能性もあるため, 診療にあたる医師への啓蒙の意味も含め報告する. なお, 本報告に際し, 患者本人の論文投稿承諾を得ている. 「II 症例」 患者は75歳, 男性, 身長167.0cm, 体重54.2kg. 糖尿病, 高血圧, 脂質異常症, 下肢閉塞性動脈硬化症の既往があり, ビルダグリプチン, カンデサルタンシレキセチル, ピタバスタチンカルシウムを内服して...
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Published in | Journal of Japan Society of Pain Clinicians Vol. 27; no. 1; pp. 112 - 113 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
25.02.2020
日本ペインクリニック学会 Japan Society of Pain Clinicians |
Subjects | |
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ISSN | 1340-4903 1884-1791 |
DOI | 10.11321/jjspc.19-0012 |
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Summary: | 「I はじめに」 帯状疱疹と内臓悪性腫瘍との関連については古くから報告されている. 今回われわれは, 帯状疱疹痛の治療中にのどのつかえ感から食道がんを発見し得た症例を経験した. 帯状疱疹罹患者は本人が自覚していない悪性疾患を合併している可能性もあるため, 診療にあたる医師への啓蒙の意味も含め報告する. なお, 本報告に際し, 患者本人の論文投稿承諾を得ている. 「II 症例」 患者は75歳, 男性, 身長167.0cm, 体重54.2kg. 糖尿病, 高血圧, 脂質異常症, 下肢閉塞性動脈硬化症の既往があり, ビルダグリプチン, カンデサルタンシレキセチル, ピタバスタチンカルシウムを内服していた. X-2年12月に右腰背部から側腹部にかけて帯状疱疹を発症したが, とくに治療を要せず治癒した. X-1年12月中旬に再び同部位に痛みを伴う帯状の水疱集簇が発生し, 近医内科を受診したところ帯状疱疹と診断されファムシクロビルが処方された. |
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ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.19-0012 |