エコーガイド下穿刺吸引が有効であった膝窩動脈外膜囊腫の1 例

要旨:膝窩動脈外膜囊腫は外膜内に発生した囊腫により動脈内腔が圧排され,下肢の虚血症状を来しうる比較的稀な疾患である.今回われわれはエコーガイド下穿刺吸引が治療に有効であった膝窩動脈外膜囊腫の1 例を経験した.症例は74 歳,男性.左下肢の間歇性跛行を主訴に当科を紹介受診し,造影CTで膝窩動脈外膜囊腫と診断した.併存症として間質性肺炎による呼吸機能低下があり,低侵襲な治療としてエコーガイド下穿刺吸引を行った.14 ゲージ留置針を用いてエコーガイド下に囊腫を2 カ所穿刺し,ゼリー様の内容物を吸引した.囊腫は多房性であり残存した囊腫に対し約4 週間後に再度同様に穿刺吸引を行った.囊腫は消失し,現在6...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 25; pp. 114 - 116
Main Authors 猪狩, 公宏, 山本, 洋平, 豊福, 崇浩, 井上, 芳徳, 工藤, 敏文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2016
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.15-00114

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Summary:要旨:膝窩動脈外膜囊腫は外膜内に発生した囊腫により動脈内腔が圧排され,下肢の虚血症状を来しうる比較的稀な疾患である.今回われわれはエコーガイド下穿刺吸引が治療に有効であった膝窩動脈外膜囊腫の1 例を経験した.症例は74 歳,男性.左下肢の間歇性跛行を主訴に当科を紹介受診し,造影CTで膝窩動脈外膜囊腫と診断した.併存症として間質性肺炎による呼吸機能低下があり,低侵襲な治療としてエコーガイド下穿刺吸引を行った.14 ゲージ留置針を用いてエコーガイド下に囊腫を2 カ所穿刺し,ゼリー様の内容物を吸引した.囊腫は多房性であり残存した囊腫に対し約4 週間後に再度同様に穿刺吸引を行った.囊腫は消失し,現在6 カ月間症状の再発を認めていない.エコーガイド下穿刺吸引は膝窩動脈外膜囊腫に対する有効な治療法の一つとなり得ると考えられ,穿刺時の手技の工夫も含めて報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.15-00114