鹿児島市における要介護認定申請者の現状と歯科関連項目の分析

鹿児島市における介護認定申請にかかる998件の資料の調査状況を明らかにし,以下の結論を得た.1.対象者の年齢は41〜102歳(平均年齢80.7±8.2歳)であり,65歳以上が全体の97.1%を占めた.男女間で要介護度の分布に有意な差は認められなかった.2.対象者の年齢構成では80〜84歳が最も多く,その群の要介護度は,要支援が87人,要介護1が83人と多数を占めた.3.対象者の70.3%は居宅で生活しており,その要介護度は要支援と要介護1で69%を占めた.居宅生活者と施設等入所者全体では要介護度の分布に有意な差が認められた.4.歯科関連調査項目について見守りや介助を必要とする者の割合は,嚥下2...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 56; no. 3; pp. 233 - 239
Main Authors 岡山, 秀仁, 田中, 巽, 於保, 孝彦, 花田, 信弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2006
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.56.3_233

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Summary:鹿児島市における介護認定申請にかかる998件の資料の調査状況を明らかにし,以下の結論を得た.1.対象者の年齢は41〜102歳(平均年齢80.7±8.2歳)であり,65歳以上が全体の97.1%を占めた.男女間で要介護度の分布に有意な差は認められなかった.2.対象者の年齢構成では80〜84歳が最も多く,その群の要介護度は,要支援が87人,要介護1が83人と多数を占めた.3.対象者の70.3%は居宅で生活しており,その要介護度は要支援と要介護1で69%を占めた.居宅生活者と施設等入所者全体では要介護度の分布に有意な差が認められた.4.歯科関連調査項目について見守りや介助を必要とする者の割合は,嚥下24.8%,食事摂取26.1%,口腔清潔34.6%であった.また各項目において実行能力が低下するにつれて要介護度は高くなることが認められた.5.口腔清潔と嚥下,口腔清潔と食事摂取の実行能力にはそれぞれ高い相関が認められた.また,口腔ケアが自立している者の95%は,自立,要支援,要介護1,および要介護2の要介護度に含まれることが認められた.6.主治医意見書の記載では,訪問歯科診療1.1%,訪問歯科衛生指導0.8%と,その必要性についての認識はきわめて低かった.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.56.3_233