肺塞栓症が疑われた腹部大動脈瘤-下大静脈瘻の1 救命例
要旨:症例は65 歳,男性.突然発症した呼吸困難のため救急車で来院した.来院当初,臨床所見,心エコーの右心負荷所見,D-dimer やFDP の高値から,肺塞栓症が強く疑われた.肺塞栓の存在を確認する目的で施行した造影CT で,腹部大動脈瘤から下大静脈へのシャント血流を認め,腹部大動脈瘤破裂による腹部大動脈-下大静脈瘻(aortocaval fistula; ACF)の診断に至った.直ちに緊急手術を施行し救命が可能であった.ACF はその病態から,発症急性期では肺塞栓症に類似した臨床像を呈することがあり,また,診断までの時間が予後を決定するため,診断には細心の注意が必要である....
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Published in | Japanese Journal of Vascular Surgery Vol. 24; no. 1; pp. 36 - 39 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
2015
日本血管外科学会 JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY |
Subjects | |
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ISSN | 0918-6778 1881-767X |
DOI | 10.11401/jsvs.14-00055 |
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Summary: | 要旨:症例は65 歳,男性.突然発症した呼吸困難のため救急車で来院した.来院当初,臨床所見,心エコーの右心負荷所見,D-dimer やFDP の高値から,肺塞栓症が強く疑われた.肺塞栓の存在を確認する目的で施行した造影CT で,腹部大動脈瘤から下大静脈へのシャント血流を認め,腹部大動脈瘤破裂による腹部大動脈-下大静脈瘻(aortocaval fistula; ACF)の診断に至った.直ちに緊急手術を施行し救命が可能であった.ACF はその病態から,発症急性期では肺塞栓症に類似した臨床像を呈することがあり,また,診断までの時間が予後を決定するため,診断には細心の注意が必要である. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.14-00055 |