徳島大学病院栄養サポートチームにおける専門的口腔ケアの取り組み

われわれは徳島大学医学部・歯学部附属病院の栄養サポートチーム(NST)の一員として,入院患者の専門的口腔ケアに取り組んできた.NSTの一員として,患者の病態や栄養摂取状況を把握したうえでベッドサイドの専門的口腔ケアを開始したことにより,病棟スタッフとの緊密な連携や,日常看護で行う口腔ケアの改善にもつながった.これまでに介入した43症例について「初診時に認められた口腔内の問題点」を集計した結果,「舌苔」「食渣・歯垢・歯石」「喀痰」「口腔乾燥」「口臭」が高い割合で認められることがわかった.これらの症状の多くは全身の病態と関連するものと考えられるが,専門的口腔ケアの介入後,症例の50%以上で症状の軽...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 56; no. 3; pp. 309 - 317
Main Authors 廣瀬, 薫, 坂本, 治美, 福井, 誠, 日野出, 大輔, 横山, 正明, 佐藤, 晶子, 藤井, 裕美, 十川, 悠香, 吉岡, 昌美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2006
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.56.3_309

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Summary:われわれは徳島大学医学部・歯学部附属病院の栄養サポートチーム(NST)の一員として,入院患者の専門的口腔ケアに取り組んできた.NSTの一員として,患者の病態や栄養摂取状況を把握したうえでベッドサイドの専門的口腔ケアを開始したことにより,病棟スタッフとの緊密な連携や,日常看護で行う口腔ケアの改善にもつながった.これまでに介入した43症例について「初診時に認められた口腔内の問題点」を集計した結果,「舌苔」「食渣・歯垢・歯石」「喀痰」「口腔乾燥」「口臭」が高い割合で認められることがわかった.これらの症状の多くは全身の病態と関連するものと考えられるが,専門的口腔ケアの介入後,症例の50%以上で症状の軽減が認められた.以上の結果から,NST活動を通した専門的口腔ケアは個々の症例における口腔衛生状態を改善するだけでなく,病院内の多職種連携の強化に役立つことが示された.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.56.3_309