女子中高生における顎機能異常に関連する要因分析 : 共分散構造分析を用いての検討
女子中高生の顎機能異常に対する,口腔習癖,ストレス,咬合因子との関連を明らかにするために1,137名に口腔内診査と自記式質問票による調査を行った.関節雑音,関節疲労,顎運動痛,開口制限を自覚している者はそれぞれ27.2, 12.2, 12.8,および10.6%であった.単変量解析から,口腔習癖で「気がつくと歯をかみしめている」,「片側でものをかむ」,「頬や唇をかむ」,「歯ぎしりをする」,「固いものをかむ」が,咬合因子として「歯に関する疼痛がある」,「矯正治療経験がある」,FT(処置歯数),またストレスが顎機能異常と関連が認められた.これらの要因を用いて因果モデルを構築し,共分散構造分析を行った...
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| Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 56; no. 1; pp. 10 - 17 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
01.01.2006
日本口腔衛生学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI | 10.5834/jdh.56.1_10 |
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| Summary: | 女子中高生の顎機能異常に対する,口腔習癖,ストレス,咬合因子との関連を明らかにするために1,137名に口腔内診査と自記式質問票による調査を行った.関節雑音,関節疲労,顎運動痛,開口制限を自覚している者はそれぞれ27.2, 12.2, 12.8,および10.6%であった.単変量解析から,口腔習癖で「気がつくと歯をかみしめている」,「片側でものをかむ」,「頬や唇をかむ」,「歯ぎしりをする」,「固いものをかむ」が,咬合因子として「歯に関する疼痛がある」,「矯正治療経験がある」,FT(処置歯数),またストレスが顎機能異常と関連が認められた.これらの要因を用いて因果モデルを構築し,共分散構造分析を行った.仮定したモデルのデータに対する適合度はGoodness of Fit Index (GFI)=0.983, Adjusted Goodness of Fit Index (AGFI)=0.969, Root Mean Square Error of Approximation (RMSEA)=0.044, Comparative Fit Index (CFI)=0.962となり,統計学的な許容範囲にあった.このモデルから,(1)顎機能異常には口腔習癖,ストレス,咬合因子が関与していること,(2)ストレスは顎機能異常に対する直接的な関与と,口腔習癖を介した間接的な関与があること,(3)歯に関する疼痛があることは顎機能異常に何らかの影響を与えていること,などが示唆された. |
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| ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI: | 10.5834/jdh.56.1_10 |