破裂性腹部大動脈瘤に対する緊急ステントグラフト内挿術における中枢追加処置リスク因子の検討

【はじめに】今回,破裂性腹部大動脈瘤(RAAA)に対するステントグラフト内挿術(EVAR)において中枢追加処置を要した症例の解剖学的リスク因子について検討した.【方法】当院でRAAAに対して行われたEVAR 28例について,解剖学的因子と中枢追加処置の関連を解析した.【結果】 Fitzgerald(F)分類はF-1: 11例,F-2: 2例,F-3: 11例,F-4: 4例であった.中枢追加処置は9例(32.1%)に行った.中枢追加処置の有無とネック長に関して有意差を認めた(42 mm vs 14 mm; p=0.013).また中枢ネック長15 mm以下の症例で有意に中枢追加処置が多かった(p...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 27; no. 6; pp. 485 - 489
Main Authors 重盛, 林太郎, 西江, 亮祐, 秋葉, 直志, 大木, 隆生, 伊藤, 栄作, 戸谷, 直樹, 福島, 宗一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 15.12.2018
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.18-00080

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Summary:【はじめに】今回,破裂性腹部大動脈瘤(RAAA)に対するステントグラフト内挿術(EVAR)において中枢追加処置を要した症例の解剖学的リスク因子について検討した.【方法】当院でRAAAに対して行われたEVAR 28例について,解剖学的因子と中枢追加処置の関連を解析した.【結果】 Fitzgerald(F)分類はF-1: 11例,F-2: 2例,F-3: 11例,F-4: 4例であった.中枢追加処置は9例(32.1%)に行った.中枢追加処置の有無とネック長に関して有意差を認めた(42 mm vs 14 mm; p=0.013).また中枢ネック長15 mm以下の症例で有意に中枢追加処置が多かった(p=0.001).周術期死亡は5例(17.9%)に認めたが中枢追加処置を行った群に死亡例は認めなかった.【結語】中枢ネックが短い場合は補助デバイスを準備するなど的確な手術戦略を立てることが重要と考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00080