重症虚血肢に対するバイパス手術—うまくやるコツ

重症虚血肢の治療目標の確実な達成のためには血行再建が必須で,長期生存が期待できる患者や大きな組織欠損を有する患者ではバイパス手術が第一選択である.治療成功の鍵は術前治療戦略にある.画像検査と臨床症状より,手術方法を決定する.中枢吻合はinflowの良好な動脈,末梢吻合はrunoff良好で病変の少ない動脈を選択するが,最終的には術中血管造影の結果で決定する.自家静脈はCTまたは超音波検査で評価し,使用可能な自家静脈は術前にマッピングし,バイパス方法と最適なバイパス経路も決定しておく.必ずしも予定通りに進むとは限らないため,代替方法も準備する.ここでは筆者が最もよく行うnon-reversed v...

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 27; no. 1; pp. 7 - 13
Main Author 三井, 信介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2018
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.17-00093

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Summary:重症虚血肢の治療目標の確実な達成のためには血行再建が必須で,長期生存が期待できる患者や大きな組織欠損を有する患者ではバイパス手術が第一選択である.治療成功の鍵は術前治療戦略にある.画像検査と臨床症状より,手術方法を決定する.中枢吻合はinflowの良好な動脈,末梢吻合はrunoff良好で病変の少ない動脈を選択するが,最終的には術中血管造影の結果で決定する.自家静脈はCTまたは超音波検査で評価し,使用可能な自家静脈は術前にマッピングし,バイパス方法と最適なバイパス経路も決定しておく.必ずしも予定通りに進むとは限らないため,代替方法も準備する.ここでは筆者が最もよく行うnon-reversed vein graftによる手術方法を示し,重症虚血肢に対するバイパス手術の要点と盲点につき記述する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.17-00093