25年来の慢性骨盤痛に対して当帰芍薬散が奏効した1症例

「I はじめに」女性の慢性骨盤痛症候群(chronic pelvic pain syndrome:CPPS)は, 日常生活に支障をきたす程度の痛みが骨盤領域に6カ月以上続き, それが月経周期, 妊娠, 外傷, 骨盤内手術に関連しないものと定義される. 今回, 長年の治療にもかかわらず改善しなかったCPPSに対して東洋医学的診察を行い, 処方した当帰芍薬散が著効した1症例を経験した. 本報告を行うにあたり, 患者本人, 家族より書面にて同意を得た. 「II 症例」78歳女性, 身長153cm, 体重45kg. 家族歴, 既往歴に特記事項なし. 50歳台半ばごろから下腹部・会陰部痛を自覚した. 以...

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Published inJournal of Japan Society of Pain Clinicians Vol. 32; no. 3; pp. 61 - 62
Main Authors 杉村, 翔, 木村, 哲朗, 御室, 総一郎, 中島, 芳樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.03.2025
日本ペインクリニック学会
Japan Society of Pain Clinicians
Subjects
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.24-0055

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Summary:「I はじめに」女性の慢性骨盤痛症候群(chronic pelvic pain syndrome:CPPS)は, 日常生活に支障をきたす程度の痛みが骨盤領域に6カ月以上続き, それが月経周期, 妊娠, 外傷, 骨盤内手術に関連しないものと定義される. 今回, 長年の治療にもかかわらず改善しなかったCPPSに対して東洋医学的診察を行い, 処方した当帰芍薬散が著効した1症例を経験した. 本報告を行うにあたり, 患者本人, 家族より書面にて同意を得た. 「II 症例」78歳女性, 身長153cm, 体重45kg. 家族歴, 既往歴に特記事項なし. 50歳台半ばごろから下腹部・会陰部痛を自覚した. 以降, 長年にわたり複数の医療機関を受診し, 内服や神経ブロック, 運動療法などの治療を受けたが症状は変わらず原因も不明であった. 痛みが徐々に増強し, 76歳ごろから臥床で過ごす時間が増え, 食事摂取量も減少するなど日常生活への支障が強くなった. 本人が婦人科疾患の可能性を訴え, 当院婦人科を紹介受診した.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.24-0055