乳幼児における指しゃぶりの開始と習慣化にかかわる要因
指しゃぶりは約半数の乳幼児が経験していると報告されており,その習慣化は歯列に大きく影響を与える.本研究の目的は,指しゃぶりの誘発とその習慣化の要因を明らかにすることである.3歳児健康診査を受診した3歳児(36〜47か月)512名を対象とした横断調査をもとに,指しゃぶりの開始と習慣化に関連する要因について分析した.対象者の36.3%が指しゃぶりを経験していた.3歳児健康診査時において指しゃぶりが習慣化している児の割合は,全対象者の15.8%,指しゃぶり経験者の43.5%であった.指しゃぶり開始の要因解析結果から,有意であったものは「郡部」と「兄弟姉妹の指しゃぶり有」であり,オッズ比はそれぞれ1....
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| Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 57; no. 3; pp. 176 - 183 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
2007
日本口腔衛生学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI | 10.5834/jdh.57.3_176 |
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| Summary: | 指しゃぶりは約半数の乳幼児が経験していると報告されており,その習慣化は歯列に大きく影響を与える.本研究の目的は,指しゃぶりの誘発とその習慣化の要因を明らかにすることである.3歳児健康診査を受診した3歳児(36〜47か月)512名を対象とした横断調査をもとに,指しゃぶりの開始と習慣化に関連する要因について分析した.対象者の36.3%が指しゃぶりを経験していた.3歳児健康診査時において指しゃぶりが習慣化している児の割合は,全対象者の15.8%,指しゃぶり経験者の43.5%であった.指しゃぶり開始の要因解析結果から,有意であったものは「郡部」と「兄弟姉妹の指しゃぶり有」であり,オッズ比はそれぞれ1.67(p<0.05),3.05(p<0.001)であった.指しゃぶり経験者における,その習慣化にかかわる要因解析では,「郡部」「弟妹の妊娠無」「母乳終了月齢12か月未満」で有意な関連が認められ,オッズ比はそれぞれ2.56(p<0.05),5.00(p<0.05),6.14(p<0.001)であった.以上の結果から,指しゃぶりの開始には「郡部」「兄弟姉妹の指しゃぶり有」が誘発要因として挙げられ,指しゃぶりの習慣化を防ぐためには母乳栄養を少なくとも生後12か月までは継続することが重要であることがわかった. |
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| ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
| DOI: | 10.5834/jdh.57.3_176 |